アーバンデータチャレンジ2023中間シンポジウム@岩手を開催

アーバンデータチャレンジ(UDC)2023の中間シンポジウムを11月11日(土)に岩手にある一関文化会館とオンライン を併用したハイブリッド形式のイベントとして開催致しました。
岩手県を拠点として活動している岩手ブロックは昨年UDC 2022でベスト地域拠点賞を受賞した地域拠点になります。ベスト地域拠点賞は1年間を通じてアーバンデータチャレンジで大きな成果を遂げた拠点に送られる賞で、岩手ブロックは年間75回、地域でのイベントを実施しました。

会場の様子 和気あいあいとした雰囲気で開催されました!

会場の一関文化会館

第1部の[地域におけるデータ利活用を加速させる]では会場にもなっている一関市の市長、佐藤善仁様より開会のご挨拶を頂きました。ご挨拶では広大な面積を誇る一関市の魅力や特徴をご紹介頂きました。

一関市市長 佐藤様のご挨拶

  • 開会挨拶の後はAIGID代表理事関本 義秀より「アーバンデータチャレンジ2023について」
  • と題した趣旨説明を行い、今年10周年を迎えたアーバンデータチャレンジの変遷やこれからについて説明しました。

関本 義秀より趣旨説明

  • 続いて、「プロトアウトタイピングスクールとIoTコミュニティでの”自ら作る”の事例」と題してプロトアウトスタジオの菅原のびすけ様よりご講演頂きました。宮城生まれ、岩手育ちと、今回の中間シンポジウムの会場にもなっている東北にゆかりがあるとのことで、岩手での思い出を交えたお話から講演が始まりました。
  • 菅原様はIT系などの専門知識や技術が無い人でも、自分が抱えている課題を解決できるようにするためのアプリケーションを作成できるようにするための取組をされており、その事例のご紹介を頂きました。
  • 「スーパーでレジをしているおばちゃんが自分でアプリを作る、そんな時代になっている」という言葉が大変印象的なご講演でした。
  • アーバンデータチャレンジでも、「地域課題を解決する」という目的で地域に関連する方々が目の前にある課題を解決・より良くするための活動やコンテストを実施しています。「アプリ開発」のハードルを下げて、誰もが自分の課題を解決することができるための取組は、本イベントをさらに加速させるうえでも学ぶべき点が多々あると感じました。

プロトアウトスタジオ・菅原のびすけ様のご講演

  • 菅原様からのご発表の後は「オンラインマップを活用した文化遺産防災体制整備の事例報告」と題して岩手県立博物館 専門学芸調査員の目時 和哉 様よりご講演を頂きました。
  • 2011年に発生した東日本大震災では文化遺産や文化施設が大規模に被災し、その際には「文化財を誰が守るのか(組織や体制)」「何を守るべきなのか(情報共有)」が出来ていなかったという課題が浮き彫りになったそうです。
  • 目時様のご講演では、情報共有をスムーズに行うために、文化財の詳細情報を、ハザードマップと重ね合わせてマップ上で表示し、文化財の場所と被災リスクを可視化できる防災マップのご紹介を頂きました。

オンラインマップを活用した文化遺産防災体制整備の事例報告

  • 続いては座談会です。一関工業高等専門学校 教授 早川 知道 様に司会を頂き、「岩手県の課題解決のためのオープンデータの活用」と題して意見交換やフリートークを実施しました。(ご参加メンバー:岩手県ふるさと振興部科学情報政策室 古川 様、一関市市長公室政策企画課 須藤 様、岩手県教育委員会事務局生涯学習文化財課 須川 様、有限会社げいび観光センター 佐々木 様、開発管理技術研究所 須藤様)
  • 岩手県の課題を解決するために官民それぞれの立場からご意見を頂きました。座談会の中では自治体と住民のそれぞれの役割についても議論され、データのニーズをつかむためにまずは自治体はデータをオープン化し、住民がそのデータを使うことで、データのニーズや付加価値をつけていくのが良いのではないか、という意見も出ました。

座談会の様子 みなさまの取組状況についてもご発表頂きました!

  • 座談会の後は、中間シンポジウムの開催場所にもなっている岩手拠点の活動報告を頂きました。活動報告のアナウンスがあると同時に、岩手ブロックのみなさんにより会場前方に「鬼死骸村」や「清庵の里・一関」「芭蕉 おくのほそ道」など、岩手県にゆかりのあるのぼりがずらっと並べられ、大変地元愛にあふれた講演になりました!
  • 活動報告では、「デジタルマップを活用した地域課題解決」というテーマのもと、現在の国道48号にほぼ重なるルートである関山街道をデジタル化したデジタルマップ関山街道についてや、地域活性化や地域再発見のアプローチの一つとしての鬼死骸村等の調査・探検とデジタルデータ化、「花と泉の公園」でのデジタルマップを活用したイベント開催等についてご報告頂きました。
  • 岩手ブロックでは高校生から大人まで、そして様々な立場の人が地域課題解決に向けて取り組んでいることが分かりました。

のぼりがかけられている様子 圧巻でした!(笑)

  • 第2部は「地域拠点の活動-デジタルコミュニティ形成のための取組事例」と題して、各地域拠点のみなさまから活動報告を頂きました。
トップバッターは岐阜拠点の安田様です。岐阜拠点はオンラインでの発表でした。2023年は「伝統文化×IT」というテーマのもと、地元の伝統文化である行事やお祭りを後世に残すためにディスカッションやアイデアソン・ハッカソンを実施されたそうです。(ハッカソンの様子はこちら

岐阜拠点恒例「岐阜とは?」の説明

続いては熊本拠点より上田様のご発表です。熊本拠点もオンラインでのご発表でした。地元中学校の通学路の危険個所や地域の魅力を載せた地図づくりイベントの開催や、UDC2023特別賞にもあるBODIKのAPIを使ったアプリ制作イベント等を開催したそうです。(地図作りイベントの様子はこちら

熊本拠点の活動報告 学校タブレットも活用したイベントだったそうです!

3番目は宮城(石巻)拠点の発表です。一般社団法人イトナブ石巻のPenさんより会場にてご発表頂きました。石巻拠点はフィールドワークができるようになった先日、キックオフイベントを開催することが出来たそうです!そして、キックオフイベント等でもご紹介頂いていた「みんなのトイレマップ」をリリースすることができた、というおめでたいご報告もありました!UDCに出品すると宣言もされていたので、楽しみにしていましょう!(キックオフイベントの様子はこちら

宮城(石巻)拠点の活動報告 みんなのトイレマップがリリースされました!

4番目は奈良拠点の本多様からのご発表です。2023年は「Scramble(ごちゃまぜ)」をテーマに、県内外や、シビックテック団体やそれ以外の人とつながりを作る方針で活動されているそうです。その中で、「シビックテック飛鳥」の3Dスキャン体験イベントへの出張レクチャーや、ソーシャルハックデイの参加、その他様々なイベントを開催しており、とても精力的に活動されている様子が伝わりました。(奈良拠点でのイベントの様子はこちら

奈良拠点の活動報告 コミュニティを広げる活動の様子が伝わりました!

5番目は福岡拠点の徳永様からのご発表です。福岡ブロックは特に教育分野に力を入れられているそうです。「元寇防塁」をARで地元小学生に体験してもらう取組や「TownTech教育」として、自分たちのまちを調べることにより、まちを誇りに思う気持ちを育てること、そしてその結果をweb記事にまとめる過程でネットモラルやリテラシー教育を実施する取組を実施されているそうです。

福岡拠点の活動報告 今年は教育に力を入れているそうです!

6番目は埼玉ブロックの牧内様からのご発表です。2023年4月にはCode for Sokaを発足し、地域との共創・子育て関連・ドローンプログラミング教室等を開催予定だそうです。UDC2023に向けた取組として、オープンデータを提供しても良いと思わせる仕組み作りのために、草加市のオープンデータを使った取組や、アイデアソン・ハッカソンの開催を予定しているとのことでした。

埼玉拠点の活動報告 Code for Sokaも発足しさまざまな活動を実施予定とのことです!

最後は神奈川拠点の森様よりご発表頂きました。神奈川県拠点は「オープン川崎/Code for Kawasaki」として、川崎市の名所をWikipediaに掲載する活動を行っているそうです。川崎にはよみうりランドなどの観光名所が沢山ある一方で、知られざる文化財や名所があるはず・・・!と、地元大学生が中心となり活動を実施しています。

神奈川拠点の活動報告 日枝神社のWikipediaは神奈川拠点が加筆しているそうです!

最後は事務局からのお知らせとAIGID代表理事関本 義秀からの閉会挨拶でUDC2023中間シンポジウムが幕を閉じました。 中間シンポジウムのあとは懇親会もあり、地元岩手や参加者のみなさまが地元から持ってきてくださった差し入れやお酒を片手に、それぞれの地元のお話などに華を咲かせていました♪

みなさまからの差し入れも!

  • ☆今年度のイベント&スケジュールのご案内☆
  • 今年度も様々なイベントを開催予定です!ぜひぜひご参加ください!
  • 〇12/23(土)作品概要エントリー〆切
  • 〇1/27(土)作品本応募〆切
  • 〇3/9(土)ファイナル(最終審査会)@東京大学駒場リサーチキャンパス
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