アーバンデータチャレンジ2023キックオフシンポジウムを開催

10周年を迎えたアーバンデータチャレンジ(UDC)2023のキックオフ・シンポジウムを7月14日(金)午後に駒場にある東京大学 駒場リサーチキャンパスおよびオンラインを併用したハイブリッド形式のイベントとして開催致しました。
地域課題の解決を目指し、オープンデータ等を活用しながらイベントやコンテストに取り組む年間の活動「アーバンデータチャレンジ2023(UDC2023)」の幕開けとなります。
社会基盤情報流通推進協議会(AIGID)および東京大学空間情報科学研究センター、東京大学生産技術研究所、東京大学デジタル空間社会連携研究機構が主催するUDCは、今年記念すべき10周年を迎えます。全国のUDC地域拠点メンバー、自治体関係者、様々な方々にご参加・ご視聴頂き、華々しいスタートを切ることができました。(今年の募集要項はこちら
第1部の[UDC10周年に向けて]はUDCの実行委員長を務めるAIGID 代表理事の関本 義秀による開会の挨拶と趣旨説明・これまでの活動の振り返りからスタートしました。
 

AIGID 代表理事の関本 義秀による趣旨説明 キックオフシンポジウムのはじまりです!

 
  • 関本先生に続き元筑波大学大学院/日本総合研究所 野村様より「地方自治体のオープンデータ施策の深化に向けて」のご講演をいただきました。(発表資料)今後オープンデータの深化を行うために、総合的なオープンデータ施策を推進している地方自治体の取り組みのきっかけや特徴を洗い出し、それらの自治体がデータ仲介者やシビックテック・活動団体や個人とどのように協働しているかについてのプロセスを明らかにするという内容です。
  • 先行的に取り組んでいる自治体にはいくつかの共通した要素があるのですが、その中でも立ち上げ期アウトプットの場としてUDCなどのイベントを通じた地域外とのコミュニティ形成も重要な要素になるというお話が印象的でした。
  • 次に東京大学空間情報科学研究センター澁谷准教授より「地域のデジタルツイン基盤構築のための行動変容推定」と題してご講演頂きました。デジタルソリューションの開発・評価・展開までの一連の流れと各段階での取り組みについてお話を頂きました。
  • 実際に澁谷先生が開発されたデジタルソリューションをご紹介いただき、地域が抱える課題を基に開発したソリューションによって、本当に行動変容が起こったのか、実際に市民参加型のプロジェクトを地域に根差した形で長続きするにはどうすればよいか?についてご講演頂きました。
澁谷先生のご講演の後は、チャレンジ3兄弟座談会のクロストークです。チャレンジ!!オープンガバナンス 運営コーディネーター 奥村様(発表資料)、LODチャレンジ 実行委員長 古崎様(発表資料)、アーバンデータチャレンジ 実行委員長 関本先生にご登壇いただき、それぞれのデータチャレンジを牽引してきたお三方からみた変化やそれぞれのチャレンジの自慢ポイントなど、普段はなかなか聞くことのできない大変興味深いお話が盛りだくさんの楽しいクロストークとなりました!

チャレンジ3兄弟クロストークの様子 楽しいお話が盛りだくさんでした!

 
第二部はUDC2023 地域拠点紹介です。アーバンデータチャレンジは「公共データを活用したコミュニティづくり」として各都道府県単位で「地域拠点」を設置し、地理空間情報の流通や利活用を促進に向けた取り組みを各拠点で実施しています。今年の各地位拠点のイベントレポートはこちらもご覧ください。
第二部の最初に、UDC2022ベスト地域拠点賞を受賞した岩手拠点より活動報告を頂きました。(発表資料)岩手ブロックは去年、イベントを毎週のように開催するなど、精力的に活動されたことが評価されて地域拠点賞を受賞したブロックになります。岩手拠点では今年も様々なプロジェクトが動いており、清庵の里でのデジタルマップ作成、観光マップの作成、被災地間交流、データ活用カードゲームの製作、「鬼」をキーワードに各地域の文化を学ぶ活動など様々な活動をご紹介いただきました。また、花泉高校の学生さんが取り組まれている「花高魅力化プロジェクト」についてもご紹介いただきました。岩手拠点はオンラインでのご発表でしたが、花泉高校の学生さんは会場からオフラインでご発表頂きました。緊張の面持ちながらも、花で地域を盛り上げたいという思いのもと、素晴らしい発表をいただきました。
次に各地域拠点より取り組みをご紹介いただきました。トップバッターは奈良拠点の佐藤様の発表です。奈良拠点からはオンラインにて活動をご紹介頂きました。2022年7月より奈良県の中南和地域での課題解決のためにシビックテック飛鳥が活動を開始するなど、着々と活動範囲を拡大されているそうです。
二番手は宮城(石巻)拠点の発表です。一般社団法人イトナブ石巻のPenさんより会場にてご発表頂きました。(発表資料)(イトナブ石巻ではニックネーム制が用いられているそうです!)イトナブ石巻は、「多目的トイレの情報を可視化することでユーザーに選んでもらう」という目標のもと、石巻市社会福祉協議会が発行した「石巻バリアフリートイレマップ」の冊子をWeb化する取り組みをしているそうです。
三番手は広島拠点の発表です。広島県土木建築局建設DX担当の岡本様より会場にてご発表頂きました。(発表資料)広島県内の道路規制情報や浸水想定区域、雪崩機関箇所図などをオープンデータ化したDoboxとDoboxデータチャレンジ(DDC)のご紹介を頂きました。Doboxは道路、河川、砂防、ため池担当などの各部署が所有するデータを重ね合わせることで災害などのリスクに関する情報も提供しているとのことでした。
四番手はUDC2022の中間シンポジウムの会場にもなりました岐阜拠点の発表です。CODE for GIFUの安田様より会場にてご発表いただきました。(発表資料)岐阜拠点の「岐阜ってどこ?」「岐阜といえば何が思い浮かぶ?」から始まった発表はコロナ対策から地域猫との共生、ウェルビーイング寺子屋ワークショップなど幅広い活動をご紹介いただきました。今年は伝統文化×ITをテーマに伝統文化や行事などを後世に残す為の方法を考えるそうです。相談会や勉強会の開催、コミュニティの醸成も行っているそうなので気になった方は是非!
地域拠点、発表の最後は佐賀拠点です。Code for Saga の藤瀬様より会場にてご発表いただきました。(発表資料)UDC以外にもスマートシティやIT技術に関する取り組みが活発に行われている佐賀県の魅力をもっと知っていただきたい!という熱い思いが伝わる発表となりました。佐賀拠点でも、佐賀の魅力をもっと発信するために今年もワークショップやアイデアソンなど様々なイベントを実施するそうです。

オンラインからも発表いただきました!岩手ブロックの様子です。

 
地域拠点の発表の次はデータ提供・支援拠点からのご紹介をいただきました。データ提供・支援拠点の紹介はすべて会場からの発表となります。UDCでは金賞・銀賞などの一般賞だけでなく、各データ提供元より特別賞が授与されます。今年は「BODIK賞」「国立国会図書館特別賞」「国土交通データプラットフォーム賞(仮)」が設置されます!各賞の詳細についてはこちらをご覧ください。
初めにBODIK賞の設置主体の公益財団法人九州先端科学技術研究所 (ISIT)上田様よりBODIKやBODIK ODCS、BODIK賞の概要についてご説明いただきました。(発表資料)BODIK ODCSは地方自治体がオープンデータを公開するためのデータカタログサイトを無償で提供するクラウドサービスです。BODIK賞はBODIK ODCSで公開されているオープンデータを使っている作品、BODIK APIを使っている作品、作品を制作する過程でBODIK Utilityを使っている作品が受賞条件となります。
次に国立国会図書館 電子情報部 電子情報流通課 町屋様より国立国会図書館のデータの提供データとAPIを通じたメタデータ提供、国立国会図書館賞についてご紹介いただきました。(発表資料)国立国会図書館が所蔵する資料のうち約345万点の資料を国立国会図書館デジタルコレクションで提供しているそうです。国立国会図書館賞は、一次通過作品の中からNDLの提供するデータを主要な部分に 利用した作品が受賞条件となります。
最後にAIGID 榎本より国土交通データプラットフォームと国土交通データプラットフォーム賞の紹介をしました。(発表資料)国土交通データプラットフォームは官民が保有する様々な技術やデジタルデータと連携し、データの検索だけでなく、3次元の重ね合わせやBIM/CIMモデルのプレビューなどの機能を有しているそうです。9月にはデータ取得用API機能がリリースされるそうです。国土交通データプラットフォーム賞は国土交通データプラットフォームのデータやAPIを活用した作品が受賞条件となります。
特別賞についてのご紹介の後は協力団体、協賛企業からのご紹介です。都知事杯オープンデータ・ハッカソン、Civictech Challenge Cup U-22 一般社団法人コード・フォー・ジャパン (Code for Japan)について、陣内様、武貞様にご登壇いただきました。(発表資料)中・高・大・高専の学生が夏季休暇期間にプロトタイプ開発をするプログラムであるCivictech Challenge Cup U-22、東京都が実施する東京都のオープンデータを活用した作品を競う都知事杯オープンデータ・ハッカソン2023についてご紹介いただきました。
最後に事務局からのお知らせとして、アーバンデータチャレンジ2023の募集要綱とUDC2023 10周年イベントの概要が発表されました!本年度の重点分野は「農業・林業・漁業」「産業・観光」となります。重点分野にかかわる作品には一律10万円の賞金加算があります。募集要項はこちらをご覧ください。
そして、記念すべき10周年を迎える今年は、10周年を記念した特別イベントを開催します!(詳細はこちら)今回UDCキックオフに参加できなかった方、UDCって何?初めて参加したいけど何をすればいいのか分からない・・・という方、是非ご参加ください!
UDC2022キックオフシンポジウム、最後は大会実行委員長、関本先生のご挨拶で終了です。キックオフシンポジウムの後には東京大学駒場キャンパスにある「食堂コマニ」で懇親会も開かれました。4年ぶりに開催された懇親会では、各地域拠点や参加者のみなさんの素敵な交流の場となり、UDC2023の華々しいスタートを切ることができました。キックオフシンポジウムの当日の動画はYouTubeでも公開されていますのでそちらもぜひご覧ください!(動画はこちら

最後はみんなで集合写真 今年のUDCもどうぞよろしくお願いいたします!

 
今年度のイベントご紹介
  • 今年度も様々なイベントを開催予定です!ぜひぜひご参加ください!
  • 〇10/6 (金) 18:00~19:30 UDC2023 ウェビナー#1「特別賞のデータ基盤を大紹介!~10周年記念ウェビナー ~」@zoom
  • 〇10/14(土)10:00~17:00(予定) UDC10周年イベントDay。@各地域拠点でイベントを実施!東京は東京大学 駒場リサーチキャンパスで開催!
  • 〇11/11(土)中間シンポジウム
  • 〇11/12(日)地域拠点ネットワーク会議
  • 〇3/9(土) 午後ファイナル(最終審査会)@東京大学駒場リサーチキャンパス
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