第12回 公開シンポジウム レポート

「アーバンデータチャレンジは地域創生に貢献できるか?~地域20拠点、一挙中間報告!」開催レポート
開催日 2015年9月29日(火)
場所 東京大学駒場第2キャンパス(生産技術研究所内)An棟2階コンベンションホール
主催 東京大学空間情報科学研究センター「次世代社会基盤情報」寄附研究部門/一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会
会場となったコンベンションホール

【第1部:アーバンデータチャレンジ2015と地方創生】

(司会:東京大学CSIS特任准教授・中條 覚氏)

開会挨拶&UDC2015の紹介

13時30分~13時50分
スピーカー:東京大学生産技術研究所准教授(一社AIGID 代表理事)・関本 義秀氏
関本 義秀氏
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UDCの事務局長である関本氏が、開会の挨拶とともに、UDC2015の取り組みについて紹介しました。「UDCは今年で3回目となります。UDCが目指しているのは“地域の課題解決”ですが、それは簡単なことではないし、各地域のキーパーソンなしで解決を目指すというのもありえません。また、国から補助金が付いて1カ所を集中的に支援したとしても、終了後に持続しない可能性もあり、その点をどのように解決するかが課題です」と現状の課題を挙げました。また、「2014年にUDCの“5か年計画”を策定し、毎年、都道府県ブロックを10拠点ずつ増やしていけば5年後には全国をカバーできると考えています」と、今後の計画についても語りました。 さらに、UDCに参加した地域拠点を、「UDCがあろうがなかろうが独走していた拠点」「UDCがあったので、何とか活動のモチベーションがキープできた拠点」「UDCがあって地域拠点の活動が花開いた拠点」「UDCの力足りず、の拠点」の3つに分類して紹介しました。 このほか、今年は新たに10拠点を追加し、計20地域拠点で実施するとともに、データの流通量を質・量ともに増やしていくことを目指して、国会図書館やナビタイムなどの単独ワークショップを開催するなど、データスポンサーとも強く連携することを説明しました。また、既存アプリの横展開や地域実証を評価する『ソリューション部門』も継続するなど、応募作品を増やすための取り組みも紹介しました。

基調講演「地方創生の取り組みについて」

13時50分~14時40分
スピーカー:内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局参事官・五十嵐 智嘉子氏
五十嵐 智嘉子氏
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「地方創生の取り組みについて」と題して講演を行いました。まず、日本の総人口や年齢区分別の人口の推移を提示して、日本は2008年をピークに人口減少時代に突入することを説明しました。生産年齢人口や老年人口は2024年頃まで増加し、その後、減少に転じます。また、三大都市圏の出生率が低く、地方から三大都市圏への若者の流出・流入と低出産率が人口減少に拍車をかけていると考えられます。その一方で、東京在住者の4割が今後、地方への移住を予定または検討したいと考えているという調査結果もあります。 さらに、五十嵐氏は北海道など地方の人口推移などを挙げた上で、人口減少の要因は人々が地方から大都市へと移動するために起こる「社会的な移動」と、出産や死亡によって起こる「自然な増減」の2つがあると説明しました。ただし、その状況については地域ごとに違いがあり、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、そのような地域ごとの違いを各地域に的確に捉えた上で、自らどのような方向に進むべきかを考えてもらいたいと語りました。 このような人口減少の解決を国が支援をするために、2014年11月に「まち・ひと・しごと創生法」という法案が通りました。国は将来の見通しを考えながら政策を考えていて、情報支援として「RESAS(地域経済分析システム)」などを通じて必要なデータを提供していると紹介しました。 さらに、現在独身の男女に聞いた「出生動向基本調査」によると、男女ともに約9割は「いずれ結婚するつもり」で、結婚した場合の希望子ども数は男性2.04人、女性2.12人であり、夫婦の予定子ども数は2.07人という結果になりました。若い世代のこのような希望が叶うとした場合に想定される出生率(国民希望出生率)を計算すると1.8程度になると説明し、人口減少に歯止めをかけるためにはこの国民希望出生率を実現することが必要であると語りました。 そのために、「地方の安定した雇用の創出」「地方への新しい人の流れ」「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」「時代に合った地域をつくり、地域を連携する」という4つの目標を掲げており、目標ごとにそれぞれ目標を定めて取り組んでいこうとしていることを説明し、データにもとづいて政策立案を行うことが重要と語りました。また、現在、それぞれの地域に対して将来の人口の展望を描いてもらって、その展望に合わせた政策を進めていきたいと考えていると説明しました。五十嵐氏はしめくくりとして、「過去や現状のデータ分析だけでは暗くなるので、ぜひデータやGISの力で明るい将来展望を描いていただきたいと思います」と語りました。
「長期ビジョン」と「総合戦略」の全体像
「総合戦略」の内容

データ提供・支援拠点の実践報告「国立国会図書館デジタルコレクションで地域を知ろう!」

14時40分~14時50分
スピーカー:国立国会図書館電子情報部電子情報流通課・福山 樹里氏
福山 樹里氏
[slideshare id=54718223&doc=150929csisi1203-151104044519-lva1-app6892]
8月に開催された国立国会図書館(NDL)による「NDLデータ利活用ワークショップ」の報告を行いました。このイベントはNDLが所蔵する「国立国会図書館デジタルコレクション(デジコレ)」の資料248万点から、地域の歴史・文化を掘り起こす取り組みを体験できるワークショップです。 当日は、会社員や自営業者、エンジニア、学生、教職員、図書館員など多彩な参加者が集まり、「岩手軽便鉄道」「南部葉タバコ」「二宮尊徳」「延遼館」など多彩なテーマで資料の発掘を行いました。 ワークショップに参加した自営業や学生、図書館職員からは、「地域資源の活用が地域活性化につながる」「地域に持ち帰ってワークショップをしてみたい」といった感想が聞かれたほか、教職員や図書館職員からは、「グループワークによる調べものの面白さを味わえた」という感想も得られました。 福山氏は、「地域の図書館には、地域資料を集めるという使命があります。最近では図書館が地域発見イベントをサポートするという動きも出てきていますし、地域の図書館の中にはデジコレを活用しているところも多いので、今後、みなさんの地域課題解決の取組の中で、図書館とデジコレの資料をぜひ活かしてもらいたいです」と語りました。NDLでは11月28日・29日に東京で「NDLのデータを使い尽くそうハッカソン」を開催する予定で、詳細はNDL公式サイトで公開する予定です。
取り組んだテーマ

【第2部:アーバンデータチャレンジ2015と地域活動】

(司会:日本工営株式会社・伊藤 顕子氏)

地域拠点からの活動報告

15時~16時20分
地域課題の発見【マッピングパーティ・街歩き】
佐賀ブロック
Code for Saga・牛島 清豪氏
福岡や久留米、熊本など近隣の地域からの参加も増えているという佐賀県のシビックテック組織「Code for Saga」。2015年9月19日に有田町で開催したマッピングパーティー「伝統的建造物地図づくりワークショップ」では、同町に残る江戸末期から昭和初期にかけての伝統的建造物群の情報を整理することを目的に、3グループに分かれて取材してOpenStreetMap(OSM)にマッピングする作業を行いました。 このイベントは、「International Opendata Day 2015」のときに開催した“有田焼アイデアソン”で生まれたアイデアの1つです。有田町では、「アリタカラ」という移住・定住情報サイトのオープンも予定しており、有田町の情報を全国に発信するために、街のさまざまな魅力をデータとして整理し、情報のホスピタリティを向上させたいと考えています。今回のワークショップの成果も、近日公開となる「アリタカラ」にコンテンツとして掲載される予定です。 Code for Sagaは今後、行政や企業発のオープンデータ活用策を考えて提案するとともに、地域発のコンテンツやオープンデータを充実させることにより、その先にある課題解決のためのサービス構築や、サスティナブル(持続的)な活動のための体制づくりを目指す方針です。
有田町でマッピングパーティーを開催
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鹿児島ブロック
肝付町企画調整課・中窪 悟氏
車椅子利用も利用可能な観光マップの作成に取り組んでおり、そのために町歩きマッピングパーティーを開催している鹿児島ブロック。そこには、「単純な情報ではなく、地域のために活用されるデータであってほしい」という思いがあります。地方の情報の中でも、車椅子利用者向けのデータは皆無に等しく、車椅子利用者が外出を諦めてしまう恐れがあるため、これを防ぐために情報を充実させたいと考えています。 イベント当日は、地域の人と一緒に車椅子を体験しながらマッピングパーティーを実施しました。参加者は、行政や医療・介護、NPO職員、地域住民、学生など計22名で、4人1組に分かれて肝付町の中心街を歩きました。今回のテーマは、「街の祭りに訪れた観光客の目線で街歩き」で、トイレのほか、店舗などを調査しました。参加者にはiPadを貸与し、撮影した写真をiCloudに集約することにより、時間短縮を実現しました。収集した情報は車椅子利用者向け情報サイト「wheelmap.org」に登録しました。 イベントで気付いたのは、車椅子の利用者や、地元の人などの“当事者”が参加することで、街歩きをスムーズに進めることが可能となることでした。これは人のつながりが見える地方ならではのことだと考えられます。今後は、データを日常的に情報更新していくことで、町でマッピング講座なども行う予定です。また、今回のようなイベントを違う地区でも開催して、いくつかルートを作って紙やウェブで公開することも検討しています。
車椅子利用者に役立つ情報をマッピング
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地域課題の情報提供・議論【データ開放・アイデアソン】
石川ブロック
一般社団法人コード・フォー・カナザワ・福島 健一郎氏
昨年、UDCに初めて参加し、4回のアイデアソン/ハッカソンを開催したCode for Kanazawa。チームで継続して課題に取り組んでいくという良いシビックテックの場となりましたが、昨年は金沢市中心となっていたため、今年はその盛り上がりを、能登や加賀など石川県全域に広げることをテーマとして考えています。 そこで、9月には「アーバンデータチャレンジ2015in能登キックオフアイデアソン」を奥能登で開催しました。同イベントには、会社員や主婦、自治体職員、議員などさまざまな人が参加し、「子育て」や「公共交通」、「移住定住」、「イベント(祭り)」など、参加者が興味を持っている課題をテーマにしてアイデア創出に取り組みました。同イベントでは託児サービスも用意し、子ども連れでも気軽に参加できるようにしました。この結果、能登特有の地域課題に根ざした解決アイデアが4つ完成しました。 今後の課題は、能登エリアにおけるエンジニア不足を解消することで、金沢やその近郊に集中しているエンジニアに能登エリアの課題を“自分ごと”として参加してもらうための工夫が必要だと考えています。 Code for Kanazawaでは10月3日にも、穴水駅にあるパノラマカー内において、公共交通をテーマにしたアイデアソンを開催します。また、金沢エリアでも10月後半または11月上旬にハッカソンを開催予定です。
4つの解決アイデアが完成
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福島ブロック1
会津若松市防災安全課・目黒 純氏
UDCに参加するのは今年度が初めてとなる会津若松市は、7月にキックオフミーティングとしてオープンカフェを開催しました。このイベントには、市職員や地域のICT技術者、会津大学生などが参加し、アイデアソンを行いました。 その結果、除雪を戊辰戦争になぞらえてゲーム化する「戊辰戦争2.0」や、災害の危険箇所をカード化してコレクションする「ハザードコレクション(ハザコレ)!」、市民の声を可視化するシステム、課題と解決のマッチングサービスなどのアイデアが生まれました。 さらに、8月9日開催のリクルート主催「マッシュアップアワード」において、キックオフミーティングのときに生まれた「戊辰戦争2.0」の開発も行いました。続いて8月10日には「オープンカフェ会津with UDC2015」も実施しました。ここでは、市の廃棄物対策課も参加して、ごみ問題をテーマとした地域課題解決を考えました。今後も引き続き、ハッカソンを通してさまざまな活動を行う予定です。
福島ブロックの状況
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北海道ブロック
室蘭市企画財政部ICT推進課・丸田 之人氏
室蘭市では、UDC2014のワークショップをきっかけとして、地域のローカルな知識を集めて共有するプロジェクト「室蘭LocalWiki」が構築されたほか、シビックテック組織「Code for Muroran」も発足しました。「室蘭LocalWiki」にはすでに600人以上が参加して盛り上がっており、「Code for Muroran」では月に1回のペースで集まってディスカッションや作業などを行っています。 市では今年度もオープンデータを随時追加する予定です。また、室蘭工業大学と一緒に市職員研修を兼ねて大学院の授業でオープンデータをテーマとしたハッカソンなどを開催予定で、ハッカソンの成果をUDCのコンテストに応募することを予定しています。 このほか、バスロケーション/除雪車ロケーションの実証実験も行っており、スマートフォンをバスや除雪車に乗せてリアルタイムの位置情報を収集しています。また、Code for Muroranではマッピングパーティーでバス停データを収集する活動も行っており、これらのデータをオープンデータとして市が公開する方向を目指しています。 さらに、オープンガバメントを実現するツールのプロジェクト「FixMyStreetJapan」の実証実験も行っているほか、オープンガバメント推進協議会にも参加しており、シンポジウムを11月29日に開催する予定です。
今年度のオープンデータ施策
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地域課題の解決に向けたアクション【実装・ハッカソン】
滋賀ブロック
大津市情報システム課・楠 有矢氏
オープンデータへの取組を昨年度に開始したばかりという大津市は、UDCに参加するのも今年度が初めてとなります。同市は2015年4月にオープンガバメント推進協議会にも加入し、そこでUDCを知り、地域拠点ブロックとして参画することになりました。 UDCのイベントとしては、「アーバンデータチャレンジ2015 in Otsu~大津祭を楽しむアイデアワークショップ~」と題してアイデアソンを8月に開催しました。同イベントは地元の祭りである「大津祭」を楽しむことをテーマにしたアイデアソンで、ここでは7つのアイデアが生まれました。 さらに、これらのアイデアをもとに9月5日には「大津祭を楽しむ!ハッカソン」を開催し、アイデアソンで生まれたアイデアの開発に取り組みました。ハッカソンは初級者グループと上級者グループに分かれて開発に取り組みました。初級者グループでは、Wi-Fiが使える店を地図上に表示するウェブアプリや、大津祭に関するつぶやきを表示するウェブアプリなどを完成させました。また、上級者グループでは、曳山(山車)にビーコンを乗せることにより、曳山の接近を感知して説明が表示されるアプリ「大津祭ストーリーテラー」や、現在の地図と古地図を重ねあわせて表示するアプリ「今のまちなみ 昔のまちなみ」を作りました。優勝作品は「大津祭ストーリーテラー」で、今後はこのアプリをベースに、大津祭で来場者に実際に使ってもらえるアプリを作成中で、地元の人にも、ビーコンを載せてもらうように協力を要請しています。
アイデアソンの様子
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鳥取ブロック
Code for Tottori/鳥取大学総合メディア基盤センター・東野 正幸氏
シビックテック組織「Code for Tottori」が、空き家とオープンデータをかけ合わせたテーマでハッカソン「空き家×オープンデータ ハッカソンin鳥取」を8月8日に開催し、空き家を有効に活用するアプリ/ウェブサービスの開発に取り組みました。 鳥取市鹿野町にある空き家を利活用した古民家を会場にして、イベント公開サービス「DoorKeeper」を使って参加者を募集しました。また、会場では、オリンパスのオープンプラットフォームカメラ「OLYMPUS AIR」やリコーイメージングの全天球カメラ「RICHO THETA」などのレンタルも行いました。 参加者数は2日間でのべ45名。この結果、空き家を活用するための方策として、空き家の活用アイデアを共有できるサービス「picon」や、ディープラーニングを使って空き家をスコアリングする「CANDLE」、空き家情報を共有する「家ログ」、企業向けに空き家を貸し出すサービス「スナババレー構想」といったアイデアやアプリが生まれました。 Code for Tottoriのメンバーは現在107人で、今後は第2回のハッカソンを秋に予定しています。現在の課題は、活動の継続性やモチベーションの維持、新規参加者の集め方などです。また、大学など人の流動性が高いコミュニティとうまく結びつけていくことも大事だと考えています。
会場となった古民家
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福島ブロック2
公益財団法人郡山地域テクノポリス推進機構・猪股 秀行氏
福島ブロック(郡山)は、アプリ開発ハッカソン「Connect2014 in Koriyama」を2014年12月に初めて開催しました。同イベントを継続的に実施するため、2015年度は各種団体のネットワークを活用したハッカソンを開催し、それを通じて地域の改題解決や魅力創出に取り組んでいます。 8月には、アイデアソン/ハッカソンをキックオフイベントとして開催しました。同イベントに参加したのは9チーム45名で、社会人や学生など幅広い参加者が集まりました。郡山市郊外の県の施設において宿泊形式で実施し、郡山市による地域課題のインプットを行うとともに、Googleの及川卓也氏などを技術メンターとして招聘し、事業化へのアドバイスを行う「マーケソン」を実施しました。 今後は10月~11月に中間報告会、12月に最終プレゼンおよび審査会を実施したうえで、2016年の1月~3月に完成品を公開する予定です。
郡山における特色
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地域拠点における活動に関するライトニングトーク

16時30分~17時20分
福岡ブロック
ビッグデータ&オープンデータ研究会in九州(BODIK)・坂本 好夫氏
福岡市・福岡アジア都市研究所(URC)と九州先端科学技術研究所(ISIT)が設立した「ビッグデータ研究会in九州(BODIK)」について紹介しました。 同研究会では、「九州地域のビッグデータ、オープンデータに精通したエンジニアやデータサイエンスなどの人材育成)」、「九州地域のIT企業やユーザー企業へのビッグデータ、オープンデータの最新技術情報や事例紹介などの情報提供による地域経済の活性化」、「九州地域の地方自治体が保有するデータのオープン化の促進」「ビッグデータやオープンデータに関連した国のプロジェクトやビジネスにつながるための基礎となる人的ネットワークの構築」「ビッグデータ(オープンデータ)にワンストップサービスでアクセスできるWebサイトの構築」の5点をミッションとして活動しています。研究会のサイトでは、オープンデータの取組状況やデータセットの紹介などを行っています。 8月27日に第1回のワークショップを開催し、「はじめてのSPARQL」というテーマで講義や演習を行いました。参加者は33名。今後は第2回のワークショップを11月12日に開催予定で、SPARQLの検索結果を地図やグラフで可視化する予定で、久留米市にてCode for Kurumeと連携した町歩きイベントも開催も予定しています。
BODIKワークショップの様子
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山口ブロック
山口市総務部情報管理課・米冨 竜太氏
昨年度から公開型GIS「オープンマップ@山口市」を導入した山口市。同サイトではオープンデータも扱っており、市民と行政の共同の街づくりのエンジンとしてGISを位置付けて、そのための環境整備に取り組んでいます。 UDC2015の活動としては、「オープンマップ@山口市」をどのように地域活動に活かしていくかについて、山口市内全21地域を巡回して、自治会と話を進めています。その中で、地域課題や魅力を掘り起こして、2016年2月に開催予定のイベントの題材となるよう整備をしていく方針です。また、市内だけでなく、山口県内で地理空間情報に強い関心を持つ企業や協力機関、行政などで構成されている「やまぐちGISひろば」と連携して、UDCへの取り組みを進めています。
山口ブロックの活動計画
愛媛ブロック
愛媛大学大学院理工学研究科・佐々木 良氏
Code for DOGOのスタッフでもある佐々木氏が、UDC2015のコンテストに向けて開発中のアプリ「ユニークカテゴリ飲食店マップ」と「街コンネット」の2つを紹介しました。 「ユニークカテゴリ飲食店マップ」は飲食店の情報を地図データに落としたマップで、地図アプリ上で現在営業中かどうかがわかるようにするほか、「大盛り無料」「学割サービス」「平均滞在時間」など、通常の店舗情報にはないカテゴリの情報も用意して差別化します。 「街コンネット」では、街コン開催時に、店舗ごとの現在の利用座席数をウェブアプリケーションにして、参加者もその情報を見られるようにします。また、「プレミアム商品券の取扱店舗マップ」というコンテンツも考えており、松山市プレミアム商品券の店舗情報を取得し、「Google スプレッドシート」と「Google Fusion Tables」を利用して地図上にデータとして落とし込み、「Google Apps Script」でウェブアプリケーションを作ってプロトタイプを作りました。
ユニークカテゴリ飲食店マップ
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徳島ブロック
徳島県政策創造部統計戦略課・吉川 満氏
徳島ブロックは昨年と同様に、データ自体を作ることとデータの利活用を同時に進める方針です。ポータルサイトの構築事業については、2015年5月29日にオープンソース化し、ほかの自治体でも利用可能となりました。システムについては、自治体職員が業務改善となることを主眼として作っており、システム間連携にも気を配って作っています。たとえば統合型GIS「総合地図提供システム」とはクローリングでつながっており、GISに最新データが入ればオープンデータにも反映される仕組みになっています。 利活用促進事業については、コンテスト形式でアプリを募集したり、Code for Tokushimaと阿波おどりをテーマとしたアイデアソンを5月に開催したりしました。アイデアソンについては、その成果が新聞などで紹介されました。また、MASHUP AWARDSに関するアイデアソンも開催したほか、ハッカソンも開催します。UDCの事業として、11月に開催の「とくしまICTバザール」において、体験型ゲームとオープンデータを組み合わせる取り組みなどを検討しています。
阿波おどりをテーマとしたアイデアソンを開催
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島根ブロック
島根大学法文学部法経学科・市川 歩氏&宮本 美佐子氏
島根大学の女子大生で構成される「島根大学JD社中」のメンバー2人が登壇しました。同組織は島根大学学生の自主活動「プロジェクトS」において2015年に採択された同大学公認のグループです。プロジェクト名は「JD×アプリで地域振興大作戦」で、オープソースとオープンデータの活用企画として進めています。 これまでの活動としては、セミナーや地元IT企業のハッカソンなどに参加しました。進行中の活動としては、「松江ソーシャルネットワークマップシステム」に歴史情報を入力しています。今後の活動としては、10月24日に松江歴史館に女子大生48人が1日館長として就任するほか、10月31日と11月1日には「松江歴史ハッカソン2015」も開催します。
島根大学JD社中の活動
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奈良ブロック
Code for IKOMA・佐藤 拓也氏
シビックテック組織「Code for IKOMA」の活動報告として、「はにゃらぁと生駒」というイベントの開催報告を行いました。「はにゃらぁと生駒」は奈良・町家の芸術祭「はならぁと」のプレイベントとして開催したもので、メインターゲットを学生として、ネコ耳を付けて街歩きを行うことで、視点をずらすことによって楽しみました。このイベントをサポートするため、Code for IKOMAでは、世界中の道をストリートビュー化するツール「Mapillary」と、オープンソースのフォトライブラリー「Piwigo」の2つを使って支援しました。 当日は生駒市長が飛び入りで参加しイベント前にネコ耳姿で挨拶したほか、生駒駅前図書室も協力しました。撮影した写真はガイドマップ作成ツール「jauntful」でまとめを行いました。今後は「会いたくなる街をつくろう」というテーマで10月25日にアイデアソン、11月3日にハッカソンを開催します。
「はにゃらぁと生駒」当日風景
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静岡ブロック
静岡市総務局情報管理課・長島 治雄氏
静岡県内の産・官・学・民が集まって「しずおかオープンデータ推進協議会」を2014年7月に発足した静岡ブロック。同協議会に2015年8月、県内23市町が加盟する「自治体部会」が設置されました。同部会に加盟する自治体の悩みや課題について考えたり、データを活用する人との連携を図ったりしたながら、このような部会を使って連携していく方針です。 また、静岡県の主催によるアイデアソン&ハッカソン「クルマと道の未来を描く」も開催し、道路とクルマとオープンデータをテーマにアイデア創出や開発を行います。同イベントのイベントの主催は静岡県の道路部門が担当し、道路GISにハッカソン作品を実装することを計画している。データはトヨタIT開発センターとコラボし、静岡市内にテスト車を走らせて収集したデータを活用します。また、リアルタイムの道路規制情報をAPIでオープンデータとして配信する。このほか、静岡県はUDC2015で静岡市特別賞も設置して賞品や賞品を提供します。
アイデアソン&ハッカソン「クルマと道の未来を描く」を開催
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神奈川ブロック
横浜市金沢区地域振興課・石塚 清香氏
UDC2015としての取り組みはまだあまり進んではいないものの、オープンデータへの取り組みはすでに活発に行っているという神奈川ブロック。今年の6月には大桟橋にて「オープンデータ自治体サミット@横浜」を開催し、多数の自治体や団体が参加しました。 同イベントの分科会で横浜市金沢区や横須賀市、鎌倉市などが事例報告を行ったことをきっかけに、これら協力して広域連携ハッカソン企画が進行中です。「Code for YOKOHAMA」や「ヨコスカバレー」「カマコンバレー」などの組織が主催者となり、横浜市金沢区・横須賀市・鎌倉市の3者が共催となります。
広域連携ハッカソンを開催予定
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東京ブロック
日野市企画部地域戦略室・中平 健二朗氏
日野市のオープンデータの推進とデータ利活用普及に向けた取り組みを紹介しました。日野市は2015年5月からオープンデータカタログサイトを公開し、行政情報オープンデータを提供開始した。公開しているのは、住民基本台帳の移動情報などの月次データや、ミニバスルート、バス停、AED設置場所、市の予算、決算情報など34データセットで、10月以降には道路インフラ関連データや課税関連データ、講演データなど各種データの拡充を検討しています。 イベントは2014年11月にアイデアソンを実施しましたが、UDCへの作品応募には至りませんでした。今年は地域のデータ活用人材や組織の掘り起こしをすることを目指して、市民向けのイベントとして地図作成イベント「日野マッピングウォーク」を開始します。また、日野市のデータの活用や地域課題解決、市民サービスの向上などを目的としたアプリやアイデアのコンテスト「日野市オープンデータコンテスト」も開催します。
「日野マッピングウォーク」開催内容
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茨城ブロック
水戸市市長公室情報政策課・北條 佳孝氏
水戸市は2015年4月に、弘道館や偕楽園が「近世日本の教育遺産群」として日本遺産の認定を受けました。今年は、この偕楽園をテーマとしたオープンデータイベントを開催することを企画しており、「歴史アドバイザー水戸」の人と一緒に歩きながら、有名なスポットや「お宝名所」を発見し、それをまとめてオープンデータを作成します。 まずは11月に第1回のイベントを開催し、2月~3月に開催される「梅まつり」に向けてなにかできないかを模索します。また、オープンデータの活用を形にするための研究会「水戸市オープンデータ利活用研究会」を発足し、街の商店街や観光協会の関係者や企業、市の職員、大学、IT企業などに参加を呼びかけます。1回目は講習会形式、2回目以降は12~13名程度のワークショップを開催します。また、水戸市は昨年に引き続き、UDC2015にて「水戸市長特別賞」を設置し、賞金や賞品を提供します。
偕楽園をテーマにしたイベントを開催
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岩手ブロック
一関高専電気情報工学科 坂本 優作氏・山代 大木氏
両氏の研究テーマである「橋梁データの収集と可視化」について紹介しました。一関市内の橋が老朽化を迎える未来を見据えて、交通量を橋の修繕計画の基礎データとすることを検討しています。データを記録するデータロガーと、交通情報を可視化するソフトウェアを作成し、同校で作成された地域情報ツール「マプコXD」を使用し、タブレット状の可視化を実現します。これにより、コストを抑えつつ交通情報を取得するシステムを実現します。 制作予定のシステムは、センサーとマイコンロガーを搭載した機器を橋に設置し、1週間後にPCまたはタブレットでデータを回収し、その後インターネットを介してデータをアップデートするという仕組みになっています。今後は一関市役所と連携して装置を設置し、今年度中にデータを集計し、公開することを目標にしています。
システム概要
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【第3部:地域課題解決のお役立ちツール一挙紹介!】

司会:東京大学CSIS 特任助教・瀬戸 寿一氏

ライトニングトーク+デモ

17時30分~18時10分
ウィキペディア街道「大山道」
合同会社緑IT事務所・小池 隆氏
世田谷、横浜、川崎、神奈川の4つの“Code forブリゲード”が共同で行っているプロジェクト「ウィキペディア街道」を紹介しました。地域情報を世界に発信するためのプロジェクト「ウィキペディアタウン」の派生イベントのひとつとして始まったもので、東京の赤坂から丹沢の大山へと通じる歴史的な街道「大山道」沿いで開催しています。 イベントは、ウィキペディアの管理者や執筆者によるレクチャーのあと、現地調査として町歩きを行い、写真撮影などを実施します。図書館などで文献の調査などを行ったあとにウィキペディアの記事の執筆までを行います。神社や寺院、資料館、宿場などのテンプレートもあらかじめ用意することによって、「何を調べて、何を書けばいいのか」をわかりやすくしています。これまでに川崎市と世田谷区で1回ずつ開催しました。ウィキペディアのいいとろころは、イベントを終えて懇親会を行っている頃には、もう執筆したことがGoogleで検索可能となっている点で、達成感を味わえるところです。第3回は10月4日に海老名市で開催します。 ウィキペディア街道ならではのメリットとしては、コミュニティ間の連帯感を感じられることと、単独コミュニティでの開催に比べて楽であること、参加者は毎回場所が変わるので新鮮さを味わえること、他地域の人と交流できることなどが挙げられます。
ウィキペディア街道「大山道」
5374.jp
一般社団法人コード・フォー・カナザワ・福島 健一郎氏
Code for Kanazawaがリリースしているウェブアプリ「5374(ゴミナシ).jp」を紹介しました。ゴミを捨てる日や捨てるゴミの種類などがわかるアプリで、特徴としては、ゴミがいつ捨てればいいのかが色分けされて一目でわかること、どのゴミがどのような種類のゴミかがタップすればすぐにわかることです。現在、ソースコードをGitHubに公開しており、石川県金沢市版を発表後、北海道から沖縄までの各市町の「5374」が地元有志の手によって立ち上げられており、2015年9月28日時点で77都市に展開しています。 5374の作り方は、GitHubで公開されている5つのCSVファイルを編集することで、地域に合ったアプリを作ることができます。一定のフォーマットに従ってゴミの収集日などを入力したデータを入れ替えるだけでプログラミング不要で作れます。ゴミの出し方が特殊な場合でも、コードはJavaScript/HTMLで改修することが可能で、GitHubのgh-pagesで運用できるため、別途にサーバーを用意しなくても利用できます。 また、「5374」というシビックテックモデルを継続していくために、事業化も検討しており、無料モデルに「push通知」「多言語化」「保守契約」を付加したプランを安価に有償で自治体に提供することも計画しています。
「5374.jp」
ストーリーマップ テンプレート
ESRIジャパン株式会社・木田 和海氏
マップをベースに説明や画像、各種コンテンツを組み合わせて表現力を高めて、コミュニケーションを円滑にするツール「ストーリーマップ」を紹介しました。ストーリーの伝え方は、「写真を位置付きで伝える」「ジャーナル仕立てで伝える」「各種施設を一覧で伝える」「複数のマップを切り替えて伝える」「2つのマップを比較して伝える」「2つのマップを重ねて伝える」などさまざまな方法が用意されています。 その例として、神戸市が公開した阪神大震災の写真を地図上に配置したコンテンツや、インターナショナル・オープンデータ・デイにおいて、川崎市で開催したマッピングパーティーの成果をまとめたマップ、マッピングパーティーの活動そのものを伝えるコンテンツなどを紹介しました。 具体的な作り方については、マップを作ってテンプレートを重ねて動きを加えると最終的に完成します。個人利用で非商用の場合は無償で作れます。テンプレートはGitHubで公開中です。
「ストーリーマップ」
お祭りデータセンター
Code for Chiba・浦本 和則氏
いつ、どこで、どのようなお祭りが行われているかを簡単にわかるようにして、お祭りに集まる人やつながりを増やし、地域を元気にすることを目的としたツール「お祭りデータセンター」を紹介しました。「今日開催されている祭り」や「週末に開催されている祭り」など、よくあるシチュエーションで簡単に検索可能で、期間を設定して検索したり、住んでいる地域を指定して祭りを検索したり、地域を指定して検索したりすることもできます。祭りの情報はアイコンを使ってわかりやすく表示します。また、周辺で開催されている祭りも調べられます。実行環境はGitHubをうまく利用しており、データ変換は自動化の仕組みも備えています。 また、祭りデータは千葉市からアンケートなどで積極的に集めてもらい、オープンデータとして公開してもらいます。今回データ化できたものは44件。神社については自ら足でかせいで情報を入手しました。また、市民から情報を集めるための登録フォームも設置しています。今後はデータをさらに増やしたいと考えており、祭りのポスターを写真の形で投稿し、そこからデータ化できるようにしたいと考えています。祭りの写真については、千葉市の保有データを公開してもらえるように調整中です。次の構想としては、ユーザー投稿機能の追加や実行委員会のサポート機能、他サービスとの連携、祭りデータのオープンデータ化などを検討しています。
お祭りの情報をわかりやすく表示
Universal Sensor Network—仮想センサシステム
慶応義塾大学・米澤 拓郎氏
ウェブをセンサー化する「WEB Sensorizer」の紹介しました。オープン化はされているものの、API化されていないデータをAPI化できるツールです。 これまでは、センサーから得られたデータが一旦ウェブに入ってしまうと、この流れが閉じてしまうため、HTTPで取得するために「解析が大変」「ウェブサイトが異なると解析方法も違うので結局使えない」という課題がありました。このようなデータは、オープンだけど使ってもらえないという意味で、“埋没オープンビッグデータ”と呼べます。 「WEB Sensorizer」を利用することにより、もともとはセンサーだったものがウェブサイトになったものを“再センサー化”することが可能となり、埋没オープンビッグデータをモダンなアクティブ・センサーにすることができます。センサーデータの例としては、環境データやガソリンの価格、渋滞情報などが挙げられます。デモでは、環境省大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」を使ってセンサー化する作業を行いました。 静的なウェブサイトを仮想センサー群として使うためにどのような方法を使っているかというと、Open APIを使って、容易なプログラミングを実現しています。流れとしては、まず仮想センサーサーバーに接続し、仮想センサーを取得する。さらに、仮想センサーからデータ要求(サブスクライブ)し、イベントリスナーの登録を行います。11月にはCode For Toyama-Cityにて、USN+Sensorizerを使ったデータ発掘・活用ハッカソンを行う予定です。
ウェブサイト情報を再センサー化
地域のバス情報をオープンデータ化し世界に発信するOpenTrans.itの紹介
東京大学生産技術研究所・伊藤 昌毅氏
コミュニティバスの情報を地域外の人が使う際に、ウェブサイトが見つからない、アプリに出てこない、わかりやすい路線図が見つからない、という課題を解決するため、バスの路線図や時刻表、リアルタイム車両位置情報などのデータをオープン化する取り組みについて紹介しました。すでにさまざまな街でコミュニティバスのオープンデータが提供されているが、データ内容やフォーマット、ライセンスが不揃いのため、一括処理が困難でデータごとに独自のプログラムを開発する必要があります。 そこで、統一したフォーマットによるデータ配信を実現するため、静岡県の掛川市・御前崎市・裾野市の3市で、「OpenTrans.it」というシステムを構築する実験を行いました。同システムに時刻表を入力したり、CSVを登録したりすることで、データベースにデータを預けて、それによりウェブ上で一括して閲覧可能となります。データは世界標準のGTFS形式に一括して直して保有する。データそのものはZIP形式で、中身はCSVファイルの集まりとなっています。 さらに、バスロケの情報をスマートフォンをバスに乗せて乗降客数カウンターを設置し、位置情報と乗客数をリアルタイムにオープンデータ配信しました。データはGTFS Realtime形式で、JSON形式でアクセスできる。 このデータの活用法を考えるため、インターナショナル・オープンデータ・デイ2015のプレイベントとしてハッカソンを開催し、静岡県や全国から10以上の開発者が参加しました。 現在、世界の公共交通データを視覚化する「TRAVIC」に情報提供するとともに、Googleとの連携も調整中です。さらに、地域の交通データの資料として、公共交通を見直す材料としても使えます。
バスロケ・乗降カウンターをリアルタイム配信
東京エリアストレスー都市エリア毎の感情可視化ツール
東京電機大学未来科学部情報メディア学科・高橋 洸人氏 & 岩井 将行氏
エリアごとのリアルタイムなストレス評価のAPI「エリアストレスAPI」を紹介しました。Twitterから位置情報付きのツイートを取得し、調整したものをAPIとして返すというシステムになっていて、感情極性評価済みのログをリクエストし、返ってきたオブジェクトから得られる情報について、感情極性対応表(単語ごとにネガ・ポジの評価が付けられている辞書)をもとに、ツイートごとに-5~+5の評価を付ける。同APIを使って地図上に感情評価の分布を可視化することができます。 活用例としては、ストレスが溜まっているエリアには穏やかな広告を出すといったエリアマーケティングへの活用や、コンサートなどのイベント評価・不満分析、軽犯罪の統計と連動させて警察や自治体と連携するなどの使い方が考えられます。将来的には、対人口比比較や時間変動での評価、感情ベクトルの多次元化などを検討しています。
エリアごとの感情を可視化
crowdb.usバス停データ・プラットフォーム
東京大学生産技術研究所・小俣 博司氏
バス停の場所を集めるオープンプラットフォーム「crowdb.us」を紹介しました。バスに関するオープンデータ化・GTFS化の兆しがある中、バス停に特化したデータ収集や更新に特化した情報支援を行うことを目的としています。同プラットフォームでは、PCやスマートフォンのウェブブラウザからアクセスし、バス停の位置や路線情報、バス会社、バス停の写真などを登録できます。 今後の展望としては、「収集・修正されたものをできるだけオープンデータとしても使えるようにしたい」「スマートフォンへの対応」「さまざまな活動につなげていってほしい」「Ingreeやジオキャッシングのように入力を楽しめる機能を考えたい」といったことを検討しています。
バス停の位置を登録可能
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